アルツハイマー
アルツハイマー病の由来は、ドイツの学者でもあったアルツハイマーが痴呆患者の記憶障害について報告したことにより認識されるようになったそうです。
当時、アルツハイマー病とは大脳の萎縮性疾患とされ、その発症年齢は45~65歳ぐらいとされていました。具体的な症状としては、痴呆が原因の失語・失行・失認とされ、加えて高齢になるほど、その発症率が高くなる傾向があると報告にはまとめられていたそうです。
しかし、近年では若年性アルツハイマーと呼ばれる、18歳~64歳の若い世代でもこのアルツハイマーの症状が確認されており、年齢に関係無くかかる可能性のある病気だと言われています。
アルツハイマーの初期症状
基本的なアルツハイマーの初期症状として、頑固・自己中心的・他人への配慮が無くなるなど、一種の人格変化や不安・抑うつ・幻視妄想などが現われるとされています。しかし本当の初期の頃は、本人も家族も意識しないような、軽い頭痛やめまいが日常的に現れるとされていますが、これは普段の生活の中ではたまにあることでもあるので、これが本当にアルツハイマーと関係があるかというと何とも言えないように思います。
また、アルツハイマーの初期症状が現われた後、しばらくすると不安感が募ったり、不眠症になるなど、一見うつ病と勘違いしてしまうこともあるそうです。
但し、仮にアルツハイマーの初期症状を感じたのならば、早期治療をすることで病状の進行を抑えることが出来るとも言われています。しかし、現実には本人にしてみたら、それがアルツハイマーの初期症状とは考えていないことも事実で、メンタル的にも難しい問題とされています。
なお初期症状に見られるパターンは、新しいことが覚えていられとか、物や人の名前が出なくなる(忘れる)とか、物事の段取りが急に悪くなるなどの行動パターンが見られるそうです。
一見すると単なる物忘れやうっかりミスにも見えるのですが、確実なこととして、初期対応はアルツハイマーへの進行を止めることが出来ると言われています。アルツハイマーの治療とは、いかに初期症状で対処するかがポイントになるといえそうです。
アルツハイマーの原因
アルツハイマーの原因には諸説ありますが、一番有力といわれている原因を説明します。
まず、特定のたんぱく質(βアミロイド)が脳内組織の蓄積していくことで、脳の神経細胞が死滅し、これにより脳が萎縮してしまい、痴呆が発症するというものです。
要は、本来は分解されて蓄積するはずのない、たんぱく質(βアミロイド)が、年を取ることで分解が追いつかなくなり、結果としてアルツハイマーになると考えられています。
しかし若年性アルツハイマーもこの原因が当てはまるのかと言うと疑問も残ります。
アルツハイマーとは症状の確認こそされているのですが、その原因についてはまだ不明といってもいいかも知れません。
症状のレベル
ここではアルツハイマーの症状のレベルについて解説していきます。
アルツハイマー第一期
別名、健忘期とも呼ばれ、徘徊や道に迷うなどの症状がみられるそうです。
アルツハイマー第二期
別名、混乱期とも呼ばれ、会話が困難になったり、服が着れないなどの症状がみられるそうです。
アルツハイマー第三期
別名、臥床(がしょう)期とも呼ばれ、高度な痴呆の症状がみられるそうです。
アルツハイマー型認知症
一般的に、問題になる老年期の認知症は、次の4つと言われています。
- アルツハイマー型認知症
- クロイツフェルト・ヤコブ病
- ピック病
- コルサコフ症候群
そもそも認知症とは、物忘れや記憶力の低下など、知能の働きが低下することです。さらに、正常な社会生活を送ることも難しくなる病気といえます。
特に認知症は、脳の病気が原因となることが多く、高齢者のみに現れる症状ではありません。例えば、事故により脳の広範囲に損傷を受けた場合、認知症が後遺症として生じることもあります。他にも脳の病気や身体的な病気が原因で認知症になることがあるのです。
1つ言えることは、老人になれば全員が認知症になるわけではないのです。もちろん、多少は物忘れがひどくなることはあるかも知れませんが、日常生活が出来ないほどではないのです。
種類
アルツハイマー型認知症と呼ばれるものには、実は次の2つのタイプがあります。これについて説明します。
家族性アルツハイマー病
アルツハイマー型認知症の中でもごく少数に過ぎないそうです。発症の年齢は30~60歳と言われています。この家族性アルツハイマー病は、常染色体優性遺伝が原因とされています。親がどちらかが家族性アルツハイマー病なら、その子供は約50%の確率で発症する可能性があると言われています。
アルツハイマー型老年認知症
現在ほとんどのアルツハイマー型認知症がこれに当たります。発症は60歳以上の老年期に多いのが特徴とされています。
なお老年認知症の場合でも、遺伝的が影響するといわれ、親族にアルツハイマー型認知症の方がいる場合、発症の危可能性が高くなると言われています。特に、50~54歳くらいでアルツハイマー型認知症を発症した親族がいると、早期発症の可能性はかなり高くなるというデータもあるそうです。
予防方法
アルツハイマー型認知症と固有の名前が付いているのですが、一般的にはアルツハイマーと呼ばれるものがこれに当たります。ただアルツハイマー型認知症は病理学的にみた場合、老年性認知症と変わらないそうです。中には老年性認知症の早発型とみられることもあるそうですが・・・
なお、アルツハイマー型認知症の予防としては一般的に次のようなことが言われています。
食習慣
アルツハイマー型認知症の予防として食習慣の改善が必要になりますが、その発症を抑制する効果がある食物も少なからずあるので紹介します。
- 魚(EPA・DHAなどの脂肪酸)の摂取
- 野菜果物(ビタミンE・ビタミンC・βカロテンなど)の摂取
- 赤ワイン(ポリフェノール)の摂取
例えば、魚を食べない人と、毎日のように魚を食べている人を比べると、5倍程度もアルツハイマー型認知症の発症の割合が上がるというデータがあるほどです。
運動習慣
特に、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動をすることで高血圧やコレステロールのレベルが下がります。そして運動することで、脳血流量が増えるので、アルツハイマー型認知症の発症の危険が下がると言われています。
なお、週3回以上ウォーキングなどの運動をしている人は、全く運動しない人と比べて発症の危険が半分に減るという研究データもあるそうです。まず身近なところから運動を始めてみませんか。
喫煙
一般的に喫煙による、アルツハイマー型認知症が発症する可能性は上がると言われています。なお喫煙者だけでなく、非喫煙者などがタバコの有毒物質の影響を受ける(受動喫煙)というだけでも、アルツハイマー型認知症の発症率が高まるそうです。
この喫煙とアルツハイマー型認知症の議論は、現在も続けられているそうですが、そもそもタバコは健康にも良くないので止めた方がいいようです。
アルツハイマーと介護
アルツハイマーの進行で、認知症などの症状が重くなっていきますが、アルツハイマーの家族に接する時の注意点を紹介したいと思います。
なじみの顔、環境を大切にする
アルツハイマーなど認知症が進ことで、心の安定がさらに大切になります。家族や友人、また施設であれば顔なじみになった人と過ごす時間は、心に安心を与えるのです。
なお居室や介護する人が変わると、本人が動揺するため、前もって部屋に連れて行ったりして、なじみの場所や、なじみの顔になっておくのが良いです。
住み心地の良い場所で、楽しく過ごすのがアルツハイマーのみならず、高齢者全般にとっても大切になります。
心に寄り添う
アルツハイマーの家族に対する介護で大切なことは、どれだけ本人の言動を受け入れられるかだそうです。そのためにも、アルツハイマーの症状や、病気の理解を深める必要があります。
特にアルツハイマーなどの認知症になると、事実とは違うことを言ったり、理解できない行動をとることがあります。
このような時に、頭ごなしに叱っても、本人には何か理由があっての言動なので、心の安定を無くし落ち込んだりして、さらに痴呆が進行することがあるそうです。
そのため家族など介護する人は、多少の失敗を大目に見る心のゆとりが必要になります。
介護のコツ
心のゆとりを持つ
アルツハイマーが進行すると介護が非常に大変になります。とくに仕事や家事を両立し、さらに介護となれば、心のゆとりも無くなってくるものです。
しかし、介護者が失敗や問題行動に対し、叱ったり強く正したりすると、心の動揺を招き、病状を進行させる原因にもなります。
そのため、アルツハイマーの面倒は、1人で抱えず、家族の協力や、ケアマネージャーなど専門家の人と相談するなどして、介護する人の不安を取り除き、心のゆとりを持つことが必要になります。
また、心のゆとりを持つために、介護ヘルパーやデイサービスなどを利用することも大切です。とにかく介護する人の心のゆとりこそ、患者の心の安定を保つ要因なのです。
適度な刺激を与える機会を持つ
特に心地よい空間の中で適度な刺激を受けることは、晴れやかな気持ちになるものです。これはアルツハイマーの場合も同じで、穏やかな環境の中で、その人が好きなことが出来ることが大切なのです。さらに好きなことを見つけることも大切で、心が動き、意欲が出て、脳を活性化します。
人格を尊重する
介護では、入浴や排泄の介助など、本人が恥ずかしいと思うことも手伝うことになります。ここでは、患者の気持ちを大切にし、さりげなく介助をする配慮が大切になります。
たとえ痴呆が進行しても、患者は相手の態度を理解できるため、嫌々やっていたり、軽はずみな言葉を使えば、当人のプライドを傷つけることになり、結果的に痴呆を進行させてしまいます。
そのため、たとえ症状が進んでも子供みたいに扱うのではなく、本人の人格を尊重した接し方が必要になります。これが、日々の生活を明るく過ごすコツといえます。
過去を尊重する
特にアルツハイマーが進行すると、ちぐはぐな行動が多くなりますが、これは当人の過去の生活体験による場合が多いそうです。
そのため患者の過去を知ることは、過去の経験を尊重するだけでなく、なぜそのような行動や言動につながるのかを理解することにも役に立つのです。
事故を防ぐ
特に気を付ける必要があるのが、転倒です。廊下や浴室に手すりを付けたり、階段に滑り止めを付けたりして、転倒防止をしておきましょう。
なお転倒で骨折し、体を動かさないままでは、アルツハイマーの症状を進行させる恐れがあります。また徘徊の恐れがあれば、近くの交番に言っておいたり、名札を後ろの襟元に付けておことも必要です。さらに台所などの火の元や、刃物にも注意しましょう。
孤独にさせない
一人で静かに過ごしていては、刺激が無くなりやがて意欲が衰えていきます。その結果、昼夜逆転したり、1日中寝ているだけになってしまいます。
こういったことを防ぐために、出来ることは手伝ってもらったり、デイサービスなどに出かける機会を作ったりして、毎日イキイキ暮らせるように心がけたいものです。
相談しよう
ここでは、アルツハイマー患者と家族を守る人や団体のことについてお話します。
ケアマネージャー
介護保険利用者や家族と相談し、利用者に合った介護プランを作成したり、利用者がより良い介護を受けられるように、利用者や事業者(施設等)などと様々な調整を行います。
民生委員
地域のボランティアでのことで、一人暮らしの高齢者の様子を見たり、暮らしなどで困っている人の相談にのります。
介護ヘルパー
高齢者の自立した生活を手助けします。食事、掃除、買い物や入浴などの補助などをおこないます。
社団法人認知症の人と家族の会
認知症の人と、その家族が安心して暮らせる社会の実現を願って活動を続けています。
財団法人ぼけ予防協会
認知症の予防や治療に関する電話相談、介護家族支援事業、シンポジウム、調査、研究をしています。